古着の年代の見分け方:タグと作りでヴィンテージかを確かめる
ブランドタグ、日本の洗濯表示、アメリカ古着のユニオンタグやRN番号、縫製や素材から、古着の年代を絞り込む方法です。確かめられる年代の目安の早見表と、復刻品やリプリントの見分け方もまとめました。
古着の年代は、まずタグを読み、次に作りを見て絞り込みます。日本向けの服なら洗濯表示が手がかりで、旧JISの記号は2016年11月までに付けられた表示、国際規格に合わせた今の記号は2016年12月以降の表示です。アメリカ古着なら、ILGWUのユニオンタグは1995年の合併より前を指します。1つの手がかりではなく、3〜4つが同じ年代を指すかで判断します。
この記事では、売り場やクローゼットの前で確かめる順番に、手がかりを説明します。年代がわかったら、次は値段です。相場の調べ方は古着の値段付け方にまとめています。

ヴィンテージ・古着・レギュラー古着の違い
法律上の定義はありません。海外のマーケットプレイスEtsyは、20年以上前のものをヴィンテージと定めています(英語)。この基準なら、2026年の時点では2000年代半ばより前のものです。日本の古着店では基準が店ごとに違い、もっと古く希少なものだけをヴィンテージと呼ぶところもあります。
| 用語 | よく使われる意味 | 例 |
|---|---|---|
| アンティーク | およそ100年以上前のもの | 1900年代初めのレースのブラウス |
| ヴィンテージ | おおむね20年以上前で、価値が認められているもの | 1990年代以前のデニムジャケット |
| レギュラー古着 | 年代が比較的新しく、希少性の高くない古着 | 普通のブランドの古着のシャツ |
| デッドストック | 当時の在庫で、一度も売られず使われていないもの | タグ付きの1980年代のTシャツ |
| 復刻・レプリカ | 昔の型を新しく作り直したもの | ブランドの復刻ライン |
| レトロ・ヴィンテージ風 | 新品で、昔の雰囲気に寄せたもの | 70年代風プリントの新品シャツ |
出品文に「ヴィンテージ風」「レトロ調」とあれば、見た目が当時のものそっくりでも新しい服です。
年代の手がかり早見表
次の目安は、法律、行政の資料、労働組合のアーカイブ、ブランド自身の記録にもとづくものです。どれにも例外があるので、判定ではなく、絞り込みの起点として使います。
| 手がかり | 指す年代 | 注意点 |
|---|---|---|
| 日本の旧JIS洗濯表示(絞り方の記号、記号の中に日本語) | 2016年11月30日までに付けられた表示 | 2016年ごろの服もあるので、古いとは限らない |
| 日本の今の洗濯表示(JIS L 0001) | 2016年12月以降 | 日本向けの表示の場合 |
| 「30℃限度で手洗い」「底面温度120℃・スチームなしのアイロン」の記号 | 2024年8月の改正以降 | 新しい服の目印 |
| 「AFL-CIO」と書かれたILGWUのタグ | 1955年以降 | これだけでは40年の幅 |
| 赤・白・青のILGWUのタグ | 1974〜1995年 | タグが元からのものか確認 |
| ACTWUのタグ | 1976〜1995年 | 主に紳士服 |
| UNITEのタグ | 1995年以降 | 90年代半ば以降のみ |
| リーバイスのレッドタブが大文字の「LEVI’S」 | 1971年より前 | 2018年以降の復刻やLVC |
| リーバイス501の赤耳(セルビッジ) | 1984年ごろより前 | LVCや高級ライン |
| アメリカ向けの恒久的なケアラベル | 1971年12月の規則以降 | タグは切られることがある |
| 文字のない記号だけのケアラベル(アメリカ向け) | 1997年半ば以降 | 他国向けは別のルール |
| Made in West Germany | 1990年より前 | わかるのは場所で、年ではない |
| 素材表示にポリウレタン(スパンデックス) | 1950年代末以降 | 表示が元からのものか確認 |
| ポリエステルのフリース | 1981年以降 | 素材表示を確認 |
日本の洗濯表示で年代を絞る
日本で売られた服なら、洗濯表示がいちばん確かな手がかりの1つです。政府広報オンラインによると、日本の洗濯表示は日本独自の規格(JIS L 0217)で定められていましたが、2016年12月から国際規格に合わせた新しい表示(JIS L 0001)に変わりました。
旧JIS(L 0217)の特徴: 消費者庁の資料では、旧規格の記号は「洗い方」「塩素漂白の可否」「アイロンの掛け方」「ドライクリーニング」「絞り方」「干し方」の6つに分かれています。中性洗剤を表す「中性」の文字を記号の中の温度の数字の下に添えるなど、日本語が記号の中に入っていました。消費者庁は、この記号を「平成28年11月30日までの間に表示する洗濯表示」として掲載しています。
今の表示(JIS L 0001)の特徴: 基本記号は「家庭洗濯」「漂白」「乾燥」「アイロン」「クリーニング」の5つで、強さや温度は線やドット、数字で表します。記号の中の日本語はなくなり、必要な説明は記号の近くに「付記用語」として書かれます。「絞り方」の記号はありません。
2024年8月の改正: 国際規格の改正に合わせ、「30℃限度で、手洗い」と「底面温度120℃を限度とし、スチームなしでアイロン仕上げができる」の2つの記号が加わり、43種類になりました。
使い方はこうです。日本向けの服に旧JISの記号が付いていれば、その表示は2016年11月までに付けられたもので、服もそれ以前に作られたと考えられます。ただし旧規格は長く使われていたので、これだけでは何十年もの幅があります。ブランドタグと組み合わせてください。逆に今の記号が付いた日本向けの服は、2026年の時点で10年ほど前より新しいもので、20年という目安ではヴィンテージに当たりません。
アメリカから入ってきた古着には、日本の洗濯表示がないのが普通です。その場合は、次の章のアメリカのタグの手がかりを使います。
ブランドタグとロゴの変化を見る
多くのブランドは、年代ごとにタグのデザイン、書体、色、ロゴ、文言を変えてきました。「ナイキ タグ 年代」「チャンピオン タグ 年代」のように、ブランド名とタグで検索すると、愛好家が作ったタグの年代表が見つかります。日付のあるカタログやアーカイブ品の写真を載せているものを選んでください。
いちばん有名な例はリーバイスです。リーバイスの日本公式サイトによると、1936年は大文字の「E」のレッドタブが付けられた最初の年で、1971年からはタブの「LEVI’S」の表記が「Levi’s」に変わりました。また1966年から1971年までのごく短い期間だけ、リベットの代わりのバータックと、大文字の「E」のレッドタブを併せ持つ501が作られています。
ただし、同じ公式サイトのタイムラインは、復刻ラインLEVI’S VINTAGE CLOTHING(LVC)の紹介です。昔の細部を忠実に再現した現行品がある、ということです。
アメリカ古着のタグ:ユニオンタグ、RN番号、ケアラベル
日本の古着店に並ぶヴィンテージには、アメリカ製のものが多くあります。アメリカの服には、法律や労働組合にもとづく、年代を絞れるタグが付いています。
ユニオンタグ
小さな労働組合のタグは、アメリカかカナダの組合工場で作られた印です。よく見るのは婦人服のILGWU(国際婦人服労働組合)のタグで、組合の記録を保管するコーネル大学のKheel Centerは、タグの年表で年代をおよそ10年以内に絞れるとしています。
- ILGWUの文言: 「AFL」ではなく「AFL-CIO」と書かれたタグは、2つの連合体が合併した1955年以降です。
- ILGWUの色: 1974年に赤・白・青になり、「Made in the U.S.A.」の行が加わりました。1995年の合併前、最後のデザインです。
- ACWA: スーツやコート、シャツなど紳士服に多い組合です。1976年に繊維労組と合併したので、それより前を指します。
- ACTWU: その1976年の合併でできた組合で、1976〜1995年を指します。
- UNITE: ILGWUとACTWUが1995年に合併してできた組合で、1995年以降です。
ユニオンタグがないからといって、古くないとは限りません。組合のない工場や外国で作られた古着もたくさんあります。
RN番号とWPL番号
RN番号は、アメリカのFTCが繊維製品を作る、輸入する、販売する米国の事業者に発行する登録番号です。社名の代わりにタグに書けます。わかるのは責任を持つ会社で、作られた年ではありません。「RN番号は1959年から」という説明をよく見ますが、FTCは1997年に、この制度が1940年代からあると述べています。FTCのRNデータベース(英語)では、数字だけを入れると会社を調べられます。ウール製品のWPL番号も同じく会社の番号で、古さの証明にはなりません。
ケアラベルと素材表示
アメリカの繊維製品表示法は1958年に成立し、1960年に施行されました。素材の表示と、メーカー名かRN番号の表示を求める法律です。FTCは1971年12月にケアラベル規則を出し、恒久的な取り扱い表示を義務付けました。1997年7月からは、文字の代わりに標準の記号を使えるようになっています。
- ケアラベルも素材表示もない: 古いほうに傾きます。ただし手作りの服や、タグを切られた服の可能性もあります。
- 文字だけのケアラベル: 1971年以降ならいつでもありえます。
- 文字のない記号だけのケアラベル: アメリカ向けの服なら1997年半ば以降です。
生産国
Made in West Germanyは1990年のドイツ統一より前、USSRやYugoslaviaの表示は1990年代初めの解体より前です。Kheel Centerの年表によると、1985年に「Made in the U.S.A.」の表示がすべての国内製の衣類に義務付けられたので、生産国の表示がないアメリカ製の服は、それより古い可能性があります。
縫製・付属・素材で確かめる
タグがなくても、作り方が年代を語ります。
- シングルステッチ: Tシャツの袖口と裾が一本縫いなのは、古いアメリカのTシャツによくある特徴です。今のTシャツの多くは二本縫いです。ただし切り替わった年は決まっておらず、わざと一本縫いにする現行ブランドやリプリントもあります。
- ファスナー: 引き手にTALONのようなメーカー名の刻印があるか見ます。同じブランドが何十年も作っていたので、わかるのは幅です。付け替えも多いので、周りの縫い目がほかと同じ糸と縫い方かも確かめます。
- 赤耳(セルビッジ): Levi Strauss & Co.によると、Cone Millsは1927年から501用の赤耳デニムを作り、1984年ごろに幅の広い織機に切り替えて、赤耳はなくなりました(英語)。今はLVCや多くの高級ブランドも赤耳を使うので、タブやタグと合ったときだけ古さの証拠になります。
- 縫い代の始末: ロックミシンの始末は今の量産品の標準です。ピンキングばさみの切り口、パイピング、手縫いの始末は、古いものか高級品に多い傾向です。
素材は、ありえない年代を消すのに役立ちます。デュポンがナイロンを発表したのは1938年10月で、最初のナイロンストッキングは1939年に発売されました(英語)。ポリウレタン(スパンデックス)は1950年代末にデュポンで開発されました。Polartecは1981年に化繊のフリースを生み出したとしています(英語)。伸縮素材の「1950年代」のワンピースや、「1970年代」のフリースは、もう一度疑ってください。
復刻・リプリント・偽物の見分け方
ヴィンテージは高く売れるので、古く見せた新しい服もたくさんあります。多くは「つじつま」で見破れます。ある手がかりは1985年を、別の手がかりは2015年を指す、というものです。
- ブランドの復刻: リーバイスは2018年に一部の製品でビッグEを復活させ、LVCで昔の型を再現しています。正規の製品ですが、当時のものではありません。リーバイスは、ケアタグを確かめるよう勧めています。1971年より前のものには、今のようなケアタグはありません。
- バンドTのリプリント: プリントの「© 1985」は絵柄の年で、Tシャツの年ではありません。首のタグ、ケアラベル、生産国、裾の縫い方が、プリントの年代と合うかを見ます。
- 加工と付け替え: 等間隔の穴、やすりをかけたような部分、実際には擦れない場所の色落ちは加工の疑いがあります。ブランドタグの縫い糸だけが新しい場合は、古いタグを新しい服に付け替えた可能性があります。
手がかりは「1つ」ではなく「まとまり」で: ブランドタグ、洗濯表示、ユニオンタグ、RN番号、生産国、縫い方、ファスナー、素材と、それぞれが指す年代を書き出します。同じ時期に集まれば、ほぼ正しい年代です。1つだけ大きく外れたら、高い値段を払う前に理由を突き止めてください。
年代で値段はどれくらい変わる?
思ったほどではないことが多いです。買い手がまず見るのは、ブランド、需要、状態、サイズです。年代が値段を大きく動かすのは、それが「求められている版」の証明になるときです。ビッグEのリーバイスや一本縫いのツアーTが高いのは、年代が当時のオリジナルであることを示すからです。一方、無名の1970年代のブラウスは本物のヴィンテージでも、型に人気がなければ値段は控えめです。
年代がわかったら、同じブランド・年代・状態の売れた例を調べます。手順は古着の値段付け方で、売るときに引かれる手数料はフリマアプリの手数料比較で説明しています。
チェックリスト:この古着はヴィンテージ?
- ブランドタグを読む。 ロゴ、書体、文言を、そのブランドの日付のある例と比べます。
- 洗濯表示を見る。 日本向けなら、旧JISか今の記号かで2016年の前後がわかります。
- ユニオンタグを探す。 ILGWU、ACWA、ACTWUは、1995年の合併より前のアメリカ製を指します。
- RN番号を調べる。 FTCのデータベースで会社を特定します。年代の証明には使いません。
- ケアラベルと素材表示を見る。 記号だけのアメリカ向けケアラベルは1997年半ば以降です。
- 生産国を見る。 West Germany、USSR、Yugoslaviaは1990年代初めより前です。
- 縫い方、ファスナー、素材を確かめる。 一本縫い、古い縫い代の始末、ありえない素材がないかを見ます。
- 手がかりがそろうか確かめる。 3〜4つが合えば自信を持てます。外れが1つあれば、さらに調べます。
- 売れた例を調べる。 買う前、売る前に、同じ年代のものの相場を調べます。
最初の数ステップは、カメラを使うと速くなります。ラベルの写真から候補を出してもらい、写真ではわからない縫製や素材の確認に時間を使ってください。ほかのガイドは古着・ヴィンテージガイドにあります。
出典
よくある質問
ヴィンテージは何年前からですか?
法律上の決まりはありません。海外のマーケットプレイスEtsyは20年以上前のものをヴィンテージとしています。日本の古着店では、もっと古く希少なものだけをヴィンテージと呼び、比較的新しい年代のものをレギュラー古着と呼ぶこともあります。
ヴィンテージと古着の違いは何ですか?
古着は、誰かが着た中古の服全般を指します。ヴィンテージは、その中でも年代が古く、価値が認められているものに使われる言葉です。新しく作られて古く見えるだけの服は、レトロや復刻と呼ばれます。
洗濯表示で年代はわかりますか?
日本向けの服なら大まかにわかります。旧JIS(L 0217)の記号は2016年11月30日までに付けられた表示で、国際規格に合わせた今の記号(JIS L 0001)は2016年12月以降の表示です。2024年8月には「30℃限度で手洗い」などの記号も加わりました。
タグがない古着の年代は調べられますか?
できますが、手間はかかります。縫い代の始末、裾やボタンホールが手縫いか、ファスナー、生地、シルエットを見ます。タグがないこと自体は証拠になりません。手作りの服にはもともとなく、持ち主が切り取ることもよくあるからです。
RN番号で年代はわかりますか?
わかるのは会社で、製造年ではありません。RN番号は、アメリカの連邦取引委員会(FTC)が繊維製品を扱う米国の事業者に発行する番号で、FTCのデータベースで会社を調べられます。FTCは制度が1940年代からあるとしているので、年代の手がかりとしては弱いものです。
写真で古着の年代を調べる方法はありますか?
Vintage SnapのようなAIアプリは、タグの写真からブランドや年代の候補、状態、価格帯の目安を示します。売り場での最初の手がかりには便利ですが、査定ではないので、縫製や素材のチェックで裏付けを取ってください。